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[コメント] ジョゼと虎と魚たち(2003/日)

神代辰巳かとおもたよ。男と女を逆にしてみると。
オノエル

妻夫木聡は昔の女の子だよね。癒されるわけですよ。心に傷を負ったオトコが。70年代の裏返しですなあ。21世紀は、オンナが男の子に癒される。

■あるいは老婆の恋物語。老婆のような言葉使いだと、印象は7割方老婆じゃないですかあ。「この娘って実はおばあちゃんなんじゃあ・・・?」とどこかで感じつつ映画を見続ける俺がいる。

池脇千鶴の大阪弁がすごく効いている。昔の大阪弁。浪速言葉。本来、オフビートでありクールであり、ブルーズのように重い。リズムは低音で、皮肉がビシッと利いている。江戸弁の快活は無いが、ボディーに来る。ファックな日常を目先の三寸で笑いのめして逃げ切ろうとするのが江戸弁だとすれば、腹で受け止めてブラックジョークで飲み下すのが浪速言葉か。絶滅危惧種がここに息を吹き返したというだけでも価値は高い。

■正直、俺にとってはジョゼが身障者かどうかってのはどうでもよくて、そこにとらわれてこの映画を見る人のことが実はよくわからない。そんなのは映画的には添え物でしかないんじゃないか? 重要なのは、虎みたいなオンナと、水族館みたいな男の子が恋をして、それは本当の恋だからこそきちんと終わりがあるということだ。ジョゼは虎みたいなオンナだよ。手負いの虎は、恐ろしく強い。60年代映画のヤクザ者みたいに強い。

(評価:★4)

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