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[コメント] 父ありき(1942/日)

川釣りにおける笠智衆佐野周二のアクションの奇跡的な一致と反復。
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**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







このアクションは非常に規則正しく、緩慢な速度で、何度も何度も反復される。そのためにこのアクションは極度に抽象化され、魚を釣ることよりも、ただ一致し反復することだけが目的であるかのように見えてくる。それは単なる川釣りのアクションを超えて、この父子の全的なまでの一致を示している。 またこの悠揚なシーンによって、それまで性急だった劇中時間の進みが一旦停止し、ここに「永遠性の感覚」とでも呼びたいものがたちあがってくる。

ところでラストの笠の発作の演技だが、笠によると「(小津)先生が、俺の親爺の時と同じにやってやると仰有って、私の足首をギュッと持たれて、痙攣の模様を実地指導された」そうだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)動物園のクマ[*]

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