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disjunctiveさんのお気に入りコメント(1/39)

女神の継承(2021/タイ=韓国)★3 導入は搦め手から本尊へ迫る語りが悉く鋭利なショットの連鎖。だがモキュメンタリー手法が永続すると判るにつれウンザリ感も。冥府魔道の趣は答がわかるにつれ減衰してしまう。四足歩行の連中に至ってはもはや茶番。除霊儀式のハッタリも『来る』に及ばない。 (けにろん)[投票(2)]
裸の島(1960/日)★5 設定が如何にもな形式主義を纏うのだが、それを感じさせぬ細部のリアリズムに満ちている。そういった器と中身が渾然として昇華した果てに生きとし生ける哀しみと歓びが現出するあたりプロパガンダ臭の欠片もない。仰角アップが安易な賛歌めいてないのも良い。 (けにろん)[投票(2)]
セイント・フランシス(2019/米)★4 状況や心情が揺らいだり変転するような事象は何も起きない。そんな顛末に見えてしまう平板な語り口だが三十路の子守り女ブリジットは周囲の無邪気な同情や侮蔑、妊娠や体調不純、軽率な恋愛衝動、レズカップルの育児不安や嫉妬不和と、厄介な現実に直面している。 [review] (ぽんしゅう)[投票(2)]
カエル少年失踪殺人事件(2011/韓国)★4 韓国映画の描く闇とエゴの禍々しさは一級品。 [review] (おーい粗茶)[投票(3)]
煙突の見える場所(1953/日)★5 非常に複雑かつ豊かな映画だ。タイトルが暗示する通り類まれなるロケーションの映画であり同時に音−ノイズの映画でもある。リズムのいいテーマ曲も印象深いが法華経の念仏、ラジオ、赤ん坊の声などオフスクリーンの音が氾濫する。高峰秀子の仕事が商店街の街頭放送のアナウンサーという音を作る仕事をしていることも象徴的だ。 [review] (ゑぎ)[投票(4)]
リボルバー・リリー(2023/日)★3 市井に暮らす嘗ての伝説のスパイ&殺戮マシーンが再起動する。鉄板の設定に背景修飾も描き込まれているのだが行定の擬斗の魅せ方に斬新なキレは望めない。集団戦・タイマンともに凡庸。1人で100人倒すのはエモーションの喚起が要る。赤ちゃん要らん。 (けにろん)[投票(2)]
ガンパウダー・ミルクシェイク(2021/仏=独=米)★3 実社会と隔絶された殺し屋組織のいざこざに終始する点で『ジョン・ウィック』の焼き直し感ハンパない上にフェミニズムの枷が息苦しい。せめて図書館女3人衆はオミットしてほしかった。撮影・美術に実力どころを揃え力感ある画だが演出アイデアは2番煎じだ。 (けにろん)[投票(1)]
女王陛下のお気に入り(2018/アイルランド=英=米)★4 宮廷の溢れに溢れた装飾と調度品を余すところなく捉える洪水のような情報量なのだが、反比例してその空疎さが際立つ。ここには何もかもがあるが、何もない。衣装とカツラは剥がされるためにあり、ご馳走は病に罹り嘔吐するために摂取され、調度品は破壊され吐瀉物を受け止めるためにそこに置かれ、あらゆる物は本来の意味をなさない。 [review] (DSCH)[投票(2)]
風と共に去りぬ(1939/米)★4 動乱の地域性と時代を的確に伝えるスケール感、その背景の濃さを鈍重に感じさせないメリハリの利いた語り口。強固な演出のバックボーンが作劇のダイナミズムを生み、スカーレットの激情とレッドの達観、メラニーの誠実とアシュレーの優柔ぶりを際だたせている。 (ぽんしゅう)[投票(3)]
ブレット・トレイン(2022/米)★4 スベり続けるギャグや大味で重量感なきCG列車の疾走や、飽くなき勘違いとも言うべきベタさで繰り出されるキャラ祭りにしゃーないかと諦めるそばから意外とも言える真摯な心情を発露するタンジェリン&レモンの2人に絆される。トホホ感は味わいへ反転する。 (けにろん)[投票(3)]
THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米)★3 アベマリア。窓の向こうを双眼鏡で窃視したミタメのカット。ハロウィンの日から始まる。独白の多用。全編ほとんどが夜。屋内シーンもローキーが多く、夜の屋外は常に雨が降っている。このルックの統一とハードボイルドのムード醸成は見事だと思う。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
コーダ あいのうた(2021/米=仏=カナダ)★3 旅立ちを引き止める母とケツ押す兄。軋轢は一応描かれるが社会から孤絶する家族を置き去りにする葛藤は生半可ではない。それをバカ陽気キャラを立て逸らしてる感も。デュオ組む少年や顧問の音楽教師のナイスキャラ。漁港町の風情など本当に素晴らしいのだが。 (けにろん)[投票(4)]
コーダ あいのうた(2021/米=仏=カナダ)★3 海上。漁船のロングショットから始まる。冒頭からとても端正な演出、カット繋ぎで好感が持てる。シーン(ロケーションというか)で一番気に入ったのは、崖のある池の場面だ。まずは、最初の見せ方がいい。 [review] (ゑぎ)[投票(5)]
青い山脈(1963/日)★4 初作から14年を経てテーマがいささかも古びていないところに、かえって日本社会の封建性の根深さを感じてまうのだが、それはさておき、さすが60年代日活映画。圧倒的なスピード感と娯楽性で49年版を圧倒する面白さ。理事会シーンの名優達の楽しい共演は圧巻。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
青い山脈(1963/日)★4 もう本当にどうしようもなく日活映画。幼稚な荒唐無稽さが溢れかえっている。しかしそこが堪らない魅力なのだ。全編、ニヤけっぱなしで見てしまった。特に高橋英樹がいい。 [review] (ゑぎ)[投票(3)]
アメリカン・ギャングスター(2007/米)★4 パラノイアなカリスマが出てこない等身大の『アンタッチャブル』。人より僅かに慎重なギャングと僅かに潔癖な警官の物語だが、最高級の役者と匠の域に達した演出で熟成バーボンのような味わい。終盤2人が初めて相対するシーンは至高の顔演技の切り返し。 (けにろん)[投票(2)]
危いことなら銭になる(1962/日)★3 黒バックに札が舞うタイトルバック。誰があなたを殺すのかしら〜という女性(マーサ三宅なのか!)の歌。こゝからもうふざけているのだが、全編ふざけた魅力に溢れた映画だ。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー(1981/米)★5 これぞ映画のケレン、と感じられるカットが5分置きぐらいに繰り出される(計測してませんが)。冒頭の雨の路上と、アパートの屋外非常階段を仰角からティルトダウンしたカットがもの凄いセンスの良いカットでまず吃驚。こゝも夜だが、この後も夜のシーンは全部いい。 [review] (ゑぎ)[投票(1)]
ロング・ライダーズ(1980/米)★3 兄弟俳優の競演というある意味で役者を小馬鹿にした反則ギリギリの奇手と、ハイスピード撮影による殺戮描写から意味を消去することで、これこそが死の美的表現だと勘違いさせ、どうにか生き延びようと試みた遅れて来た賞味期限切れアメリカン・ニューシネマ。 (ぽんしゅう)[投票(1)]
ロング・ライダーズ(1980/米)★3 良く言えば感傷を排した冷徹な筆致なのだが。 [review] (ざいあす)[投票(3)]